作品名:今、お目にかかれない過去へ
素材:木炭紙、木炭、チャコペン
制作動機:
この作品では、他者から見た自分と、自分が認識する自分の姿をテーマにしました。
私はこれまで、過去の自分よりも今の自分が劣っているように感じることがありました。
過去の私は他者を思いやることが何よりも好きで、誰かの幸せのためなら自分を犠牲にしても構わないとさえ思える人間でした。
一方で今の私は、多くの経験を経て、以前よりも自分を優先するようになりました。それは自分を守るために必要な変化だったと理解しています。それでも、他人のために純粋に動けていたあの頃の自分を懐かしく思う瞬間もあります。
作品の左側は「他者から見た私」、右側は「自分が認識する私」を表しています。
他人から見える自分が外見的な表層であるならば、自分の中にいる私はもっと複雑で、不安や葛藤を抱えた存在です。
けれども、そうした弱さもまた私の一部であり、成長の証でもあります。かつての自分は理想の象徴であり、今でも私の中で大切な指針です。しかし、今の私はもうあの頃の自分を追いかけるだけではなく、その自分を超えて、新しい自分を創り出していきたいと感じています。
ものづくりを通して、自分の「好き」を探究し続けることで、私はきっと過去を超え、より高みへと進んでいけると信じています。